先日、noteにこんな文章を書きました。
https://note.com/itoto_/n/nbf62ab7374cf
保護者向けの講座で「マイナスの言葉をかけ合うワーク」を体験し、毎日子どもにかけていた言葉を見直した、という話です。
講座の中で学んだことは、子育てだけでなく、職場の人間関係にもそのまま当てはまると感じました。
今日はその続きとして、職場やチームでの声かけについて考えてみます。
私は今、linkmuで子育て中のママたちとチームを組んで仕事をしています。チームをまとめる立場として感じたことも、あわせてお伝えします。
マイナスの言葉をかけ合うワークで感じたこと
10月25日、NPOくすくすさんの「保護者の学びの時間」に参加しました。
テーマは「幸せと夢実現のレシピ 〜自分を満たすコツと良好な関係作りのヒント〜」。講師の宇都宮さんから、「選択理論」をもとに、自分を満たすコツと人との関係を良くするヒントを教えていただきました。
選択理論は、アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士が提唱した考え方です。
講座の中で、ペアになってマイナスの言葉をかけ合うワークがありました。
「遅い!」
「なんでできないの?」
「いいかげんにして!」
ワークだとわかっていても、言われる側になると、心がずしんと重くなります。言い返したくなる。その場から離れたくなる。少なくとも、「よし、がんばろう」とは思えませんでした。
職場にもある「人間関係を壊す7つの習慣」
選択理論では、人間関係を壊す習慣として、次の7つが挙げられています。
- 批判する
- 責める
- 文句を言う
- ガミガミ言う
- 脅す
- 罰する
- 褒美で釣る
職場に置き換えてみると、こんな言葉が思い浮かびます。
「まだできてないの?」
「なんでこうなったの?」
「前にも言ったよね」
「これができたら、次の仕事を任せるよ」
どれも、言う側には悪気がないことがほとんどです。むしろ、早く仕事を進めたい、成長してほしいという気持ちから出てくる言葉かもしれません。
それでも、受け取る側の気持ちは、ワークで私が感じたものと同じです。
言葉ひとつで、人は「近づきたくなる」か「離れたくなる」か
一方で、人間関係を築く習慣として、次の7つがあります。
- 傾聴する
- 受容する
- 支援する
- 励ます
- 尊敬する
- 信頼する
- 交渉する
マイナスの言葉をかけられると、相手の脳は「離れたくなる」。反対に、プラスの言葉をかけられて「応援してもらっている」と感じると、脳は「近づきたくなる」のだそうです。
職場で「離れたくなる」状態が続くと、困っていても相談しにくくなり、小さなミスも報告しづらくなります。「近づきたくなる」関係であれば、自然と声をかけ合い、助け合えるチームになっていきます。
人には5つの基本的欲求がある
選択理論では、人には5つの基本的な欲求があるとされています。
- 愛・所属:愛し愛されたい、仲間の一員でいたい
- 力(承認):認められたい、達成したい、人の役に立ちたい
- 自由:自分で決めたい、強制されたくない
- 楽しみ:自分の好きなことをして楽しみたい
- 生存:休みたい、健康・安全でいたい
これらの欲求が満たされると「良い気分」になり、満たされないとイライラしたり、やる気が出なくなったりします。
なかでも最も重要なのが、「愛・所属」の欲求です。愛・所属が満たされると、他の欲求もバランスよく満たされやすくなるのだそうです。
育休明け・時短の社員が満たされにくい「力」と「愛・所属」
この5つの欲求で考えると、育休明けや時短で働く社員は、「力(承認)」と「愛・所属」が満たされにくい状態にあるのかもしれません。
時間が短いぶん、思うように成果を出しきれない。
早く帰るぶん、チームの輪に入りきれていない気がする。
私自身、会社員時代に時短で働いていた頃は、まさにそう感じていました。
だからこそ、「あなたもチームの一員だよ」「いてくれて助かっている」と伝わる職場であれば、働くママは安心して力を発揮できるのだと思います。
変えられるのは、自分の言葉
講座で心に残った言葉があります。
他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる。
相手の仕事のペースや性格は、こちらが変えようとしても変えられません。でも、自分がかける言葉は、自分で選べます。
また、相手がイライラしていたり、やる気がなさそうに見えたりする時は、「なんであんなことをするの?」ではなく、「あの人は、どの欲求が満たされていないのだろう?」と考えてみる。
そうすると、責めるのではなく、どう関われば良いのかが見えてきます。
チームで大切にしたい声かけ
講座で学んだことをもとに、チームをまとめる立場として、私が大切にしたいと思っている声かけです。
1. 「遅い」ではなく「何か困ってる?」
仕事が進んでいない時、「まだ?」「遅いよ」と言う前に、「何か困ってる?」と聞いてみる。
遅れている理由が、仕事量なのか、わからないことがあるのか、家庭の事情なのか。聞いてみて初めてわかることがあります。
2. 「一緒に考えよう」で、支援を伝える
問題が起きた時、「なんでこうなったの?」ではなく、「一緒に考えよう」と声をかける。
ひとりで抱えなくていいと伝わることで、「愛・所属」の欲求が満たされ、次から相談しやすくなります。
3. 「ありがとう」「助かったよ」で、承認を伝える
短い時間の中で出してくれた成果に、きちんと「ありがとう」「助かったよ」と伝える。
時短で働くメンバーにとって、「役に立てている」と感じられることは、何よりの励みになります。
4. 「○分までにできると助かるな」で、お願いを伝える
急いでほしい時も、「早く!」ではなく、「○分までにできると助かるな」と具体的に伝える。
命令ではなく相談の形にすると、相手の「自由」の欲求も大切にしながら、お願いを伝えられます。
5. 自分にも、プラスの言葉を
講座の資料のまとめには、「自分にも、相手にもプラスの言葉を使う習慣」と書かれていました。
まとめる立場の人に余裕がないと、どうしてもマイナスの言葉が出やすくなります。深呼吸をする、お茶を飲むなど、数秒〜15分でできることで自分を満たしておくことも、チームにやさしい言葉をかけるための準備だと思います。
どれも、特別な制度やツールがなくても、明日から始められることです。
かける言葉を選ぶことが、働き続けられる職場をつくる
マイナスの言葉を使うか、プラスの言葉を使うか。
選ぶのは、自分です。
一人ひとりが、相手にも自分にもプラスの言葉を選べる職場であれば、育休明けや時短で働く人も、安心してチームの一員として力を発揮できます。
ライフイベントがあっても、働き続けられる。
その土台には、毎日かけ合う言葉があるのだと思います。

